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売り上げ減覚悟で決断した徹底的な環境配慮
未来コトハジメ 2020/06/01人間と革の関係は狩の起源まで遡ることができるほど古く、現在も服飾品や家具、日用品など、あらゆる場面で使われている。そのままでは腐敗したり乾燥して固くなったりしてしまう動物の「皮」を柔らかく加工しやすい「革」にするための工程を「なめし」といい、なめし加工(tanning)を行う人をタンナーという。なめし加工はクロムという重金属系の薬品が使われることがほとんどだが、環境負荷が少ない植物タンニンを使った独自の製法で世界的に注目を浴びる日本のタンナーがいる。東京都墨田区に皮革製造工場を持つ山口産業の3代目社長、山口明宏さんである。
動物の「皮」を「革」にする、なめし加工(tanning)を行う人を「タンナー」と呼ぶ。そのなめし加工の9割が、重金属系のクロム化合物を使って化学変化を起こす「クロムなめし」という製法。環境負荷の高いその製法を、植物タンニンを使用する「ラセッテー製法」に挑戦する東京の町工場。コロナの時代を経て、輸入に頼らないモデルの構築への挑戦。