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日本人の「正解が欲しい病」を克服する「教えない」という教育方法【連載】オランダ発スロージャーナリズム(25)
FINDERS 2020/07/21昨年、若くしてお亡くなりになった京都大学の客員准教授だった瀧本哲史さん。『武器としての決断思考』(星海社)『ミライの授業』(講談社)など数々の名著があり、麻布高校から東大に進学し、マッキンゼーに就職し、多くの企業再建に携わり、投資家としても活躍していた、文字通り日本の知能そのものである瀧本さんが東大で20代以下を対象に行ったという伝説の講義というのがあります。
2012年6月30日、東京大学の伊藤謝恩ホールにて行われた、その講義は、生徒の参加資格を29歳以下に限定したもの。当時すでに20歳代ではない筆者は、当然、この講義のことを知る由もなく、実はこの講義のことを知ったのもごく最近のことでした。
筆者の理解では、この講義は将来に大きな可能性を秘めた若者向けに、彼らが中心となっていかにして良い日本を作れるのか? 若者がどういう考え方で生きていくと、日本が良くなるのか?といったことが話された内容で、若い世代の力で日本の未来を作るために参加者には「宿題」が託されました。そして、その答えを持ち寄るのが、この講義のあった8年後の2020年6月30日で同じ場所での再会を期して締められたのでした。
「チョーク&トーク」スタイルの型の授業では、「考える力」が身につかないと筆者は語る。ニュースとの向き合い方でも、「そのニュースが本当かどうか分からないから、まずはそのニュースを調べよう」(本文引用)と言う姿勢をオランダでは大事にさせている。海外の事例をなんでも右にならえにする必要はないが、参考になる一例。