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30歳官僚が和歌山に出向して見つけた「教科書では分からないこと」

BUSINESS INSIDER 2021/08/13

「霞が関で働く官僚こそ、地方の魅力と課題を知るべきだと思っています」

総務省のキャリア官僚で、現在は和歌山県庁に出向中の桐明祐治さん(30)はそう話す。

桐明さんは2021年秋に、官僚(国家公務員)を対象にしたワーケーションイベントを企画し、現在参加者を募っている。

ワーケーションイベントでは北海道や長野県、和歌山県など8道県と協力。それぞれ2泊3日~3泊4日で滞在し、各地域のリアルな課題を知って交流してもらうのが狙いだ。

なぜ官僚を対象としたワーケーションを企画したのか?

「総務省での苛烈な働き方に疑問を感じていた」と語る桐明さんに聞いた。

「花形部署」も経験。順調なキャリア

福岡県出身の桐明さんは、大阪大学を卒業後、2013年に総務省に入省した。

大学2年生の時、人事院主催の採用説明会に参加し、各省庁の採用担当者の話を聞いたことがきっかけになり、官僚を目指したという。

「営利目的でなく、世のため人のために働く霞が関の仕事を知り、そのスケールの大きさと職員の熱量に大げさですが感銘を受けました」

試験を突破し、志望通り総務省に。入省前から聞いていた通り、業務は多かったものの、地域振興や防災を目的とした地方自治体向けの補助金事業等を担当し、やりがいも大きかったという。

入庁3年目からは、内閣官房国土強靱化推進室に2年間出向した。

「内閣官房への出向ポストは、同期と比べても早いうちから貴重な経験を積むことができるポジションでした」

5、6年目は総務省に戻り、放送行政を担当。希望していた配属先で、NHKなどテレビ放送に関わる分野は、マスコミの注目も高く「花形の部署」だった。

官僚として順当にキャリアを歩んでいた桐明さんだったが、次第に官僚の働き方に違和感を覚えるようになったという。

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