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競争から共創へ。すべての人が個性と才能を発揮できるインクルーシブな未来をつくる
Forbes JAPAN 2021/07/19より多くの「つなぐ」がより多くの「機会」をつくる。
シスコが掲げる旗には強い信念が込められている。目指すのは、「誰もが平等に機会を得られ、誰もが個性・才能を存分に発揮できる多様性にあふれた社会」。そんな理想を実現するために、世界中で様々なプロジェクトに取り組んでいる。
今回、シスコ日本法人代表執行役員会長である鈴木和洋に話を聞いた。
環境に左右されず、誰にも平等にチャンスがある社会を目指す。
現在、多くの企業が製品やサービス、ビジネスモデルに変革をもたらすDX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組んでいますが、まだまだ『部分最適化』の域を出ないケースも多い。シスコが提唱するデジタイゼーションは、ビジネス、教育や医療といった分野で部分最適を目指すのではなく、あらゆる分野・領域をつないで社会そのものを変えていく。そうすることではじめて、インクルーシブな社会の構築が可能となります」
自社が掲げる未来像を語る、シスコの代表執行役員会長の鈴木和洋に次なる質問をしてみた。すなわち、「インクルーシブな社会とはどんな社会なのでしょうか?」
「インクルーシブな社会とは、誰一人として取り残されることなく、機会が与えられる社会です。例えば、過疎地の子どもでも世界トップクラスの大学の講義をオンラインで受講できる。あるいは、診療所がない離島に住むお年寄りもタブレットで医師の診断やアドバイスを受けられる。これまでは、住んでいる環境によりシャットダウンされていた機会を得られることになり、ブレイクスルーが可能になる。なぜなら、多様性と失われた機会の掘り起こしこそが、イノベーションの源泉となるからです」
現に、シスコという会社は多様な人種、多様な考え方を尊重しながら事業を拡大してきた。
環境に左右されず、誰にも平等にチャンスがある社会を目指す
「現在、多くの企業が製品やサービス、ビジネスモデルに変革をもたらすDX(デジタルトランスフォーメーション)に積極的に取り組んでいますが、まだまだ『部分最適化』の域を出ないケースも多い。シスコが提唱するデジタイゼーションは、ビジネス、教育や医療といった分野で部分最適を目指すのではなく、あらゆる分野・領域をつないで社会そのものを変えていく。そうすることではじめて、インクルーシブな社会の構築が可能となります」
自社が掲げる未来像を語る、シスコの代表執行役員会長の鈴木和洋に次なる質問をしてみた。すなわち、「インクルーシブな社会とはどんな社会なのでしょうか?」
「インクルーシブな社会とは、誰一人として取り残されることなく、機会が与えられる社会です。例えば、過疎地の子どもでも世界トップクラスの大学の講義をオンラインで受講できる。あるいは、診療所がない離島に住むお年寄りもタブレットで医師の診断やアドバイスを受けられる。これまでは、住んでいる環境によりシャットダウンされていた機会を得られることになり、ブレイクスルーが可能になる。なぜなら、多様性と失われた機会の掘り起こしこそが、イノベーションの源泉となるからです」
現に、シスコという会社は多様な人種、多様な考え方を尊重しながら事業を拡大してきた。
新型コロナが大きな転機となった日本のデジタイゼーション
まさにインクルーシブな社会は、グローバルに製品/サービスを提供するシスコだからこそ可能な世界観ともいえる。すでに同社では、欧米、アジア、南米、アフリカ、オセアニアなど世界中でインクルーシブな未来の構築に向けた取り組みを行っている。
「インクルーシブな社会の実現には国の成長が不可欠です。ただし、国や地域によって課題が異なるので、それらを解決していくことがインクルーシブな社会実現のエンジンになると考えています。その具体的なアプローチが当社の推進するCountry Digitalization Acceleration(CDA)です。各国の政府、教育機関、企業とパートナーシップを組んで、国家成長戦略への貢献、ニューノーマル下におけるデジタル化の加速、新産業の創出、継続的なイノベーションエコシステムへの構築など、あらゆる分野でCDAを推進しています」
では、世界ではどのような形でデジタイゼーションが進んでいるのだろうか? 例えば、オランダの港湾都市ロッテルダムはスマートポートに生まれ変わっている。船舶の出入りが世界有数の過密な港湾として知られるロッテルダムでは、船舶の安全航行と効率的な運航を実現するために、センサーによって天候、水位、風などの様々なデータを取得して、AIが最善の船舶の入出航のタイミングやルート設定を可能にしている。
その他にも再生可能エネルギー導入が進むドイツではスマートグリッドシステムの構築といったように、各国や地域の状況に対応した形でデジタイゼーションが進んでいる。
一方、日本はどうだろうか。欧米と比べると社会のデジタル化が進んでいるとはいいがたい。しかし、そんな状況を一変させたのが新型コロナ感染症の拡大だ。企業ではテレワークが一般的となり、教育機関はオンライン授業が可能な環境整備を迫られ、病院もオンラインによるコミュニケーションの必要性が浮上した。
「コロナ禍によりニューノーマルが定着し、多くの方が社会のデジタル化の必要性を強く感じたのは間違いないでしょう。たしかに日本は欧米ほどデジタル化への移行はスピーディではありません。その最大の理由は合意形成に時間をかけるから。そのため変革のスピードが遅くなってしまうのです。
しかし、一度、合意形成がなされたら着実に物事を前に進める能力に長けています。社会のデジタル化も同様に、コロナ禍によってその必要性を否応なしに感じたわけで、ここから確実にデジタル化への移行が進むと期待しています。もちろん、当社では日本のデジタイゼーションに寄与するために、日本政府の政策と同調しながら様々な分野でプロジェクトを推進しています」