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李禹煥よりメッセージ
SCAI THE BATHHOUSE 2020/06/01人類史はその大半が戦争の歴史であるが、また疫病との闘いを抜きにしては語れない。近来は、様々な新型ウイルスが流行り出し、人類はこの目に見えない敵との闘いに明け暮れている。生物学者らの、ウイルスについての所見を読むと、それは謎めくような不思議な存在に思える。ウイルスは肉眼では見えない極小の粒子で、生物とも無生物ともつき難いが、元を質せば「高等生物の遺伝子の一部」で、それが外に飛び出し、いつも動物や人間の周りをうろついているものという。しかも人類が維持され進化する上では、死に及ぶ危険性と共に、生命の促進をもたらす両面的な存在らしい。
アーティスト李禹煥の言葉「それで気になるのは、映像による距離と効率性とスピードを重視するあまり、人間嫌に陥り、身体性の否定を招かぬかどうか、また労働力がすべて人間を離れたものにならぬかどうかだ」アーティストの思考(「問い」)が見える。