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OGATA Paris ーー パリの空間に映る 日本の食とデザインの粋
The New York Times Style Magazine:Japan 2020/07/12モードな薫りが漂うパリのマレ地区、ヴィエイユ・ドゥ・タンプル通りからはずれた路地に、以前は金物店が入っていた17世紀の壮麗な建物が建つ。その中に、東京を拠点とする建築家であり、デザイナー、レストランオーナー、そして食の表現者である緒方慎一郎による最新のプロジェクト「OGATA Paris」が完成した。オープンしたての店内には、ティーブティックから茶房、フルサービスのレストラン、和菓子ブティック、バー、オープン予定のギャラリー、そしてクラフトと生活道具を扱うブティックなどが、数フロアにわたって広がっている。この空間は一人の男性が考える“日本の粋”を表現した見事な作品であり、ここではカクテルからそれを出すグラスに至るまで、細部にわたりおおよそすべてを緒方自身がデザインしている。
文中にある2つの言葉。「大切なことに気づいたのです。自分のアイデンティティは日本人であるということに」「現代のパリにはさほど影響を受けていませんしかし、フランスには大いに敬意を抱いています。なぜなら文化を保持し、その価値を世界に送り出してきた国だからです」(本文引用)。この視点を自身の体験的価値の中にどうやって取り入れていくのか。アートの歴史的な文脈にもそのヒントが常にあります。「大切なのは線引きをしないことです」(本文引用)この視点ですね。