鋳物ホーロー鍋バーミキュラの誕生物語。「会社を存続させるためには何か新しい事業が必要だと強く感じた」ところから困難な開発がスタート。「何万個と作っては試行錯誤を繰り返す日々」まさに、プロトタイプ を繰り返した先に、世界最高品質の商品が生まれる。

「メンタル統合のプロセスで可能となった脳内で対象物の素早い並置ができる新たな能力は、“試作品”の想像を劇的に速め、それは技術進歩の急激な加速をもたらしたでしょう。どんな計画でも頭のなかでシミュレートする前例のない能力と、それらを仲間に伝達するという同じく前例のない能力を備えた人間」（本文引用）試作品に対する想像力の根源はこんなところに。

植松電機の代表植松努さんのところに、NASAが問い合わせをするエピソードは秀逸です。「失敗を恐れる人はロケットに手を出さないと思うんです。」失敗ができる企業とそうでない企業の差がどんどん生まれる時代に。

日本法人マイクロソフト株式会社の創業時のエピソードが詳細に書かれてあります。日本の組織や人の強み、逆に弱いところをビル・ゲイツ氏がどう観察して、指示をして来たのか。創業時の細やかな気配りとエネルギッシュに動く姿がありありと浮かんできます。

「大事なことは髪を切るというテクニカル的なことよりも、人をデザインするというコンサルティング的な側面が強くなる気がする」（本文引用）←この視点は他の業種でも同様のことが言えます。

「1年後、あるいは数年後にはその反動が、政治にまで波及し、既得権益を崩し、新たなムーブメントを生み出すかもしれない。本当のポストコロナの始まりは、そのときかもしれない。」（本文引用）Withコロナ時代の変化と、数年後の大きな変化がどううまれるのかを考えておくことが必要ですね。

世界85ヶ国の近現代美術館に関わる専門家によって構成されている団体「国際美術館会議（CIMAM）」が公開した美術館が注意すべき20の項目。

「ニューノーマルな時代の競争優位は『ヒト・モノ・カネ』のリソースの多さではなく、『失敗から学ぶ、学習速度のスピード』（本文引用）←日本が理屈をつけて対応してこなかった仕組みの転換にチャレンジできるかどうか。

管理職が漏らす「あいつは使える（使えない）」の発想を変える必要性に迫られています。

動物の「皮」を「革」にする、なめし加工（tanning）を行う人を「タンナー」と呼ぶ。そのなめし加工の9割が、重金属系のクロム化合物を使って化学変化を起こす「クロムなめし」という製法。環境負荷の高いその製法を、植物タンニンを使用する「ラセッテー製法」に挑戦する東京の町工場。コロナの時代を経て、輸入に頼らないモデルの構築への挑戦。

新型コロナの後は、国連とWTO（世界貿易機関）が警告する「世界的食糧危機」の恐れに対して、私たちはどう向かうべきか。食とエネルギーの自給率の課題。

こどもたちへの「お金」の教育。学びや習い事とスーパーでの買い物。こどもたちとどうお金の話をするかを考えさせられます。

「エンジニアリングの世界を志したのは、モノづくりや手作業が好きだからだった。しかし、実際にエンジニアとして働き始めると、この業界は変化が遅く、自分が思うようなスピードでモノづくりが出来ないことに気づいた。だったら、テクノロジーの力で自分が思うような環境を実現してやろうと思ったんだ」（本文引用）

「仕事がスポーツに、企業がチームになる時代」（本文引用）企業が、社員ではなく、ユーザーとして捉えて、ユーザー満足度をどう高めるかが問われる時代に。

こうした小さな作業時間のショートカットが、新しいアイディアを考える時間になりますね。

アーティスト李禹煥の言葉「それで気になるのは、映像による距離と効率性とスピードを重視するあまり、人間嫌に陥り、身体性の否定を招かぬかどうか、また労働力がすべて人間を離れたものにならぬかどうかだ」アーティストの思考（「問い」）が見える。

日本の大学教育の質的転換を阻むものは何か？「ティータイム」「コーヒーブレイク」の重要性は、企業にも通じるものがあります。